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みんなの「お母さん」?
認知症介護【126】
毎年の事だが、寒さに弱いババは冬ごもりをし、あまり外に出ない。
「そろそろ、つくしが芽を出す頃かな?」
「おばあちゃん、どうしてる?」
「奇麗に咲いたから、このお花を見せてあげて」
「えっ?夜の電気?大丈夫ですよ、全然!」
「お母さんがいてくれるから羨ましい。喧嘩をしながらでも・・・ね。」
「私にも同じ年位の母親がいるの。一人で住んでいるの。」
昨日、揚げたての温かい天ぷらを窓から「ほい!」と差し出すと
お隣のご主人が照れくさそうに微笑んだ。
「ここからだとベッドで寝ているおばあちゃんの顔が見れるからね」
「
わぁ〜!いつもすみません。ありがとう!」
ババはあわてて背中を起こし、嬉しそうにお礼を言った。
近所の皆さんが冬眠しているババを気づかって声をかけてくれる。
中にはもうお爺さん、お婆さんの年代の方もいるのだが、
何だかババを通してご自分の親を見つめているよう・・・。
その深い眼差しは「親が生きている」ことの意味を教えてくれる。
2007年04月26日 | 認知症介護・日常_1 | トラックバック:- | コメント:4
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言葉の力
認知症介護【125】
<< 詩によって癒され、前向きになれる>>折りしもテレビで「千の風になって」の特集があった日、
私はある人の言葉で癒され、幸せをかみしめていた。
あなたと同じ立場になってみて
あなたと同じ境遇を味わって初めて
あなたの気持ちがわかったよ。
僕もがんばるから、
あなたも一緒にがんばろう!I子さんの手を両手で優しく包み込み、
けれども強く握り締めながら
ずっと心配をかけ続けた彼の口から出た言葉。
生まれて初めて聞く彼の言葉。
心の思いをめったに口にしない彼。
I子さんは泣いていた。
それを聞いた私も泣いた。
思わず心の中で「救われた!」と叫んだ。
二人とも私にとって、大切な存在だ。
もし、誰かを傷つけてしまったと思えば
もし、いつかそのことに気づく日がやってきたら”魂のこもった言葉(心)で相手にその気持ちを伝える”その言葉は、傷つけられた人の心に響き、
一瞬の間に、過去のこだわりや心の傷が流れていく
傷つけられ、助けを求めていたその人の心は救われる。
例え、それが一時的で、またいつか悩む日が来たとしても
その「とき」、心は満たされ、全てを許すことができ、
癒され、溢れる涙をとめることができない。
傷つけられたはずなのに、その当の相手によって癒され、
幸せをもらっている。こんなことって・・・。
私までも、泣きながら、ありったけの心の声で叫んだ
ああ、それだけでいい!!
この世に、これ以上の幸せがあるだろうか!!
幸せって何?
お金や地位や名誉を得ることも「幸せ」
それとはまた別の、比較することすらできない
「幸せ」が現にここにある。
幸せにしてあげたい大切な「誰か」がいたら
日ごろ気になっている「誰か」がいたら
「いつか」ではなく
今、心から、魂のこもった言葉を
かけてあげればよいのではないか
思いを伝えればよいのではないか
私自身「言葉」によって癒され、幸せを感じたのだから・・・。
我が家のババは相変わらず 同じことを何度も聞き、話し、
食事をしたことを忘れ、今がいつなのかわからない。

そのババは 留守番をしていた日々
私に励ましの言葉をくれた
ずっと私のことを気づかい、心配していたのだと
ヘルパーさんが教えてくれた
4日目からは訳がわからなくなり、混乱してしまったものの
ババの気持ちは・・・響いた・・・。
家族のありがたさを思う。支えられているのは私の方だろう。
2007年02月27日 | 認知症介護・日常_1 | トラックバック:0 | コメント:2
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チーの外泊―ババの限界
認知症介護【124】

受話器の向こうから、ババの声が聞こえてくる。
「いったいチーは今どこにいるの?」
「いったいどんな理由があったら、こんな私を捨てて出歩けるの!?」
「もう、私には何がなんだかわけがわからない・・・。何にもわからない・・・」
「いつ、帰ってくるの?明日?いますぐ帰ってくるわけにはいかないの?」ババの声がだんだんかすれ、涙声になっていく・・・。
「もう・・限界かも知れませんね、ユナチさん・・・。」とヘルパーさん。
用事があって1月に4泊5日で外泊した。4日目の夕方、ババはついにこらえきれなくなり、泣き出した。
1日目
「うん、大丈夫だよ!ヨシキもヘルパーさんも優しくしてくれてねぇ〜。」
2日目
「チーも私もお互いにがんばろうね。」
3日目
「いつ、帰るの?うん・・・しよーがない・・・。」
4日目
何とかあと1日・・・と願ったが、ババはギブアップ。急遽、航空券の予約変更を試みたが、便がなく帰れない。
ヨシキに電話をし、ババの様子を伝えた。彼が帰宅した頃を見はからってもう一度電話をかける。「あのな、『お土産を買ってきてネ』だって!」ホッと胸をなでおろす。その後、ヨシキの横でババはスースーと寝息をたて、眠りについたらしい。安心したのかなぁ。さ〜すが!親子だ。
5日目ババとチーの久々の「ごたいめ〜ん」の一コマは・・・。(多分...ご想像通り)
2007年02月14日 | 認知症介護・日常_1 | トラックバック:0 | コメント:10
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認知症ババのつぶやき(6)
認知症介護【123】
(ババは郷里で一時、姪達の面倒をみていたことがある。)
思えば、あの子達(姪2人)が一緒にいたときは幸せだったねぇ
下の子は、朝学校に行きたくない時はグズッてね、
何とかだまして学校まで連れて行って、先生に頼んでね。
学校の帰りに先生が家に来た時は、その前にみかんを(木から)とって、準備しておいたものだよ。
あの頃、何もなかったからねぇ・・・。
あの子達の親が、「自分の子だから当たり前」 みたいに
あの子達を連れて行ったときは、本当にくやしくて、寂しくってね・・・。
もう人の子なんか育てるものじゃないって思ったよ。
ただ、その後あの子達の両親が家に呼んでくれたことがあって、
しばらく一緒に居ることができたんだよ。
2006年12月28日 | ババのつぶやき | トラックバック:0 | コメント:4
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感情失禁
認知症介護【122】
認知症の症状
(認知症介護【32】参照)の中に、[ 感情(喜怒哀楽)のコントロールがきかなくなる場合がある――少しのことでも感情がたかぶり涙を流したり、怒り出したりする。]とある。
そういえば、ババは喜怒哀楽全ての表現が豊かになった。もしかしたらそれは脳梗塞以前のババを知っている方にとっては戸惑う変化なのかも知れない。だが、私にとっては自分の全てをバリアを張ることなく見せてくれ、ユーモアたっぷりの会話(「ユナチのつぶやき」参照)で周りを楽しくさせてくれる嬉しいババの変化だ
「これは何かの試験を受けているの?就職試験?でも先生に採用していただいてもこんな調子じゃすぐクビだねぇ」以前に受けた認知症検査の一コマだ。本人はいたって真剣で、決してふざけているわけでもないのだが、このような調子で検査は進み、側にいた私は何度も笑いをこらえた。
検査終了後、日頃疑問に思っていることを尋ねた。「脳梗塞で倒れてからババは以前より頭がよくなったみたいなんです。ユーモアがあって、会話の切り返しも早いんですよ。こんなことってあるのでしょうか?それともこれは薬(サアミオン)の影響なのですか?」 それに対して先生は、薬のせいではないこと、怒りっぽくなったこと(短気)等もあわせて、認知症の症状(人格のゆがみ)であることなどを説明してくれた。通常は頭の中で考えてから口にするのだが、それをせず(できず)に即表現するということのようだ。
感情失禁は、決してネガティブな要素だけを持っているのではないと思う。現にババの周囲は暖かくなった。いろいろ振り回されることはあるものの、ババを見つめる多くの温かく優しいまなざしを感じるから・・・。
2006年12月07日 | 認知症介護・日常_1 | トラックバック:0 | コメント:4
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