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お互いを「活かす」
認知症介護【72】
先日知人より「竹の子」を頂いた。市販されている一般的な「竹の子」ではない。名前はわからないが田舎にある細長い竹だ。ババは右腕が痛かったのだが、こういうことはババの方が得意なので私達はババの号令で「竹の子」の皮をむき始めた。

ババは畑で作物を作り、その野菜の下ごしらえをする・・・そこまでは得意だ。活き活きしている。でもその先が不得意なのだ。料理である。もちろん料理を「しない」わけではない。だが、まちがっても「料理が好きです!」なんて言えないだろう。レパートリーも少ない。できれば調理などしたくない。
息子が結婚した時、ババはきっと嫁に期待したにちがいない。これで料理とはおさらばだ。嫁がきたのだからと・・・。70歳を過ぎてもババは仕事を続けた。そして嫁に小遣いをくれた。ババは結婚当初から「
仕事をするんだったら午後3時か4時には終わる仕事をしてね!」と言い続けた。そうすれば買い物をして家に帰り、余裕を持って夕食の準備に取りかかれるからだ。
だが、ババのもくろみはみごとにはずれた。嫁いできた私はババに似ていた。料理は不得意、好きでもない。おまけに自分のやりたいことをする。一番長く続けた仕事は9:00〜18:00までというババが悲鳴をあげそうな勤務時間だった。いやおうなくババは夕食のほとんどの準備をすることになり、お米洗いなどは脳梗塞で倒れる前ぐらいまで続けてきた。ババとヨシキの不幸は料理の不得意な嫁にくじがあたったことかも知れない。
私はフルで仕事をしてみたいなと思うこともある。だが今の状態に不満はない。ババには感謝しているからだ。「竹の子」と格闘しているババを見てふと思う。本当に長い間私のわがままを通させてくれ、好きなことをさせてくれたと・・・。今私はババがやりたいこと、望むことをできる限りアシストして実現させたいと思っている。お互いを活かすってことは「同時に両立」でなくても、例えば時間差のある「活かしあい」ということでも成り立つのではないかと思った。
2006年05月18日 | 認知症介護・日常_1 | トラックバック:0 | コメント:0
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