[介護ROOM-認知症の介護&憩いのひととき-]HPへ
強風注意報・荒れたババ
認知症介護【61】
2006年4月20日今日は定期の診察日だ。家の中から外を見ると、日が照って気温も問題ない!爽快なる気分で久しぶりに外の空気を吸おう!準備を済ませ、車椅子にババがスタンバイできた頃、頬にあたる風はとても心地よかった。
車椅子を押し始めてしばらくするとババが「
やっぱり、手がすこ〜しヒヤッとするねぇ〜」と言う。「家に戻って手袋を取ってこようか?」「
もう、イイよッ!」と苛立ち気味のババの返事。待たせるとうるさいからなぁ〜とババの言葉に従った。これがまずかった。あとでわかることだが・・・。
5分ほど歩いたところで「寒い?」と聞くと「
ううん、大丈夫!今日はお爺さん、いないねぇ」とババ。ババといつも話題になるお爺さんのことである。「でも、近頃来てないんじゃないの?だって草がたくさん生えているよ〜」と話しながら歩く。色とりどりの春の花を咲かせている家の横を通った。足を止め、2人とも「
わあ〜〜きれいだねぇ〜!」と感動し、ババと私のここまでの道中は思わく通り快適な道中だった。
しかし、思ったより風がきつい。クリニックまでは30分程度のみちのりだが、その1/3あたりからだんだん「
ちょっと寒いねぇ・・・」とババが繰り返すようになってきた。やばいっ・・・。しばらくして手を触ってみると冷たい。「私の上着を着る?」「
いらないっ!」 うわぁ〜〜手袋さまぁ〜〜。ババの風向きが変わってきたようだ。

後はズンズン進み、クリニックの看板も見えてきた。最後の横断歩道を渡るとき、ババに話しかけた。「お母さん、私もうそろそろ髪の毛を染めないといけないワ」「
・・・」「白髪が目立つようになってきちゃった!」「
そんなことどうでもいいっ!人がこんなに寒い思いをしているのにー!それどころじゃないワ!」 やっぱり・・!!ババが切れてしまった!この後のことを考えると恐ろしくなってきた。(--;) できることなら・・イヤもう引き返せない。
予想通りだった。人目をはばかること知らず、恐いもの知らずに変身したババは「怒り」モードに突入していた。嫁はクリニックで3度目の「おろおろモード」を余儀なくされる。私が話しかけると 「
帰りは絶対車だよ!!」 ババの大きな第一声は注目を集めるのには充分過ぎた。これ以上話しかけると最悪院内中に響き渡る声の大きさに発展しそうだった。心臓専門のこのクリニックで皆さんを驚かしてはいけない。私は小さくなることに徹しようと決める。
幸い間をおかず、検査のため看護士さんがババを呼びに来た。私は看護士さんがババに話しかけている間に処置室に飛び込んだ。馴染みの看護士さん、事務員さんに「ごめん〜〜!今日寒いから機嫌が悪いのよ〜〜!」「え〜〜そうなの?」前科があるので暗黙の了解である。すぐフォローにかけつけてくれた。これで、とりあえず大丈夫。彼女たちはババの相手をすることがすごくうまい。ホッとする間もなく処置室に入ったババと看護士さんの会話でまた汗をかいた。 「どうしたんですか?ユナチさん?寒いんですか?」「
寒いのよ〜!ケチが・・!タクシー代がないのかどうか知らないけど・・・。バカタレが・・!」 (;^_^A 触らぬ神にたたりなし!あとはおまかせして、そそくさと私はロビーに戻った。
このクリニックでのババの前科だが(他のクリニックでもある)、前にババが出掛けに「待たされた」ことによって「怒りモード」になった時はもっとすごかった。いつも見慣れたロビーなのに「
こんなわけのわからない、見たこともない、来たこともない病院に連れて来るなんて!」いつもの看護士さんが話しかけても「
こんな人、知らない!見たこともない!」先生に見覚えがないか聞いても「
あんな先生、知らない!」私と職員の皆さんは恐いもの知らずのババの世界に引き込まれてしまったのである。ありがたいことは、それでもババを見つめる皆さんのその目が変わらず温かいことである。
「待つこと」「おなかが空く」ことが原因であるババの怒り対策として待つ時間が最短になるように、おなかが空く前に早めに食事をするようにすれば事前にババの怒りモードを防げることがわかった。今回思い知ったのは寒がりのババに「寒い」ことに対する対策も絶対不可欠だということである。
(※脳梗塞以前のババはこの「怒り(短気)」モードと「バカタレ」などの乱暴な言葉は持ち合わせていない。少なくとも私の知っている範囲で、外でこのような表現をすることはまずなかった。)
天気予報を見ていなかった私は、外の風の強さに驚いた。後で知ったのだが強風注意報も出るほどの日だったのだ。診察のときに私は先生にとても重大な決意をお話しし、相談をするのだが(その内容は後日記事を書く予定)、会計を済ませ、調剤薬局で薬を受け取るためにクリニックの外に出た私は吹き飛ばされるのでないかと思うほどの突風に悲鳴をあげた。
2006年04月22日 | 認知症介護・日常_1 | トラックバック:0 | コメント:0
▲ページトップに戻る