[介護ROOM-認知症の介護&憩いのひととき-]HPへ
「なじみ」の大切さ
認知症介護【118】
認知症高齢者の理解と対応(認知症介護【37】)の補足だが、「認知症高齢者の対応(介護)」として3つのなじみを実施するという項目があった。[ なじみのある環境 ]、[ なじみのある人間関係 ]、[ なじみのある手作業 ]である。当初、そんなに重要に思えなかったこの「なじみ」について、ババとの生活の中では何度も失敗し、考えさせられてきた。
2003年のある朝、ひと通り「さくら園」へ行く準備を済ませた私は家の外にいた。すると、ババが自分で荷物を持ち、出てきた。早く「さくら園」へ行きたくてたまらないのだ。バックをシルバーカーに載せ、「じゃあ、行ってきまーーす。」と歩き出した。あ〜あ〜、まだ早いのに・・・。でも「待てる」ババではない。その時ふと足元を見た私は、ババが私の靴を履いていることに気づいた。靴の色や形、大きさも別に違和感はない。普段履きだし、たとえ乱暴に履かれても「惜しい」靴ではない。むしろ嫁の靴を履いてスタコラと歩いていくババが微笑ましかった。善意で何も言わず見送ることにした。

午後、もう帰宅する時間なのにババが帰って来ない。心配になって迎えに行くことにした。途中でババと出会う。「どうしたの?遅かったわねーー!」「
あのねー、誰かが靴を間違えて履いて帰ってしまったらしくてねぇ。いくらさがしても私の靴がないのよ〜〜!事務所の人もさがしてくれたんだけどねぇ・・・。見つからないから今日はこのスリッパを貸してくれたの。」
えぇっ〜〜〜!!言われてババの足元を見ると、ゴムの室内履きらしきスリッパだ。一緒に家まで帰り、その後私はUターンした。事務所で「すみません、私が玄関に自分の靴を出していたので・・・。」と謝り、スリッパを返した。もちろん私の靴はポツンと取り残されていた。
まちがいなく、私の理解不足と対応のあやまりだった。善意(?)どころではなく、ババの靴に履き替えてもらうべきだったのだ。この日までババはちゃんと自分の靴を履いて帰ってきていた。ババが悪いのではない。むしろババを困惑させ、大騒動に巻き込んでしまった。何が何だかわからない状態のババにとって、五感に「なじんだ物」であることはとても重要なことだった。そうでない環境におかれた時にはパニック状態になってしまう。その後、これに懲りたババは目印に派手な色の洗濯バサミを持っていくようになった。
「なじんだ環境」については、例えばタンスの置き場所を変えただけでパニックになってしまった例を私は知っている。たとえ配置を変えた方が便利で生活がしやすくてもできる限り「なじみのある環境」であることの方が本人にとってはベストだったのだ。暮らしの変化の中で周りを「なじみ」で埋め尽くすことは難しい。けれども不安や混乱をより少なくし、精神的に落ち着けるようにするために「なじみ」の果たす役割はとても大きいと思う。
2006年10月29日 | 認知症高齢者の理解と対応 | トラックバック:0 | コメント:8
▲ページトップに戻る
「なじみのあるもの」について考えさせられました。感覚的にわかったつもりになっていても、こうした文章に出会うと頭にキッチリとインプットされますね。
ところで楽しいイラストはどうして描かれているのですか?
chindonさんへ
イラストですが、ヨシキ(夫)に紙を渡し、イメージを伝えて「お願いだから〜〜描いて下さいマセ」m(__)m・m(__)m・m(__)mとその都度拝み倒しております。口説けた時は記事に画像の挿入をし、登場することになります。。。(これでお返事になりましたでしょうか)(^・^)
【2006/10/30 15:17】
| chicyan [
編集]
だんな様の作品だったとは。だんな様が余り登場しておられないと思っていましたが、共作だったんですね。
ところで、紙に描いたイラストをスキャナーで読み取って画像として貼付ける、ということですね。それなら私にも出来そう。でも、センスが要りますね。
chindonさんへ
ピンポ〜ン! その通りデス。
chindonさんもぜひ!楽しみにしています。☆
【2006/10/31 00:22】
| chicyan [
編集]
初めまして!いつも拝見させていただいてます。なじみ・・・そうなんです。うちの父は(79才。認知症と診断されて9ヶ月。アリセプトとヘルパーさんのお陰で今も一人暮らし)どうも自分の家でないとだめみたいなんです。ここ1年半で3回短期入院をしましたが、3回とも譫妄らしき症状が出て・・・でも家に帰るとまともになるんです。入院の記憶はなくなりますが(涙)そんなこんなで心配でたまりませんが本人の大好きな家で1日でも長く暮らさせてあげたいと思い、兄と協力しながら遠距離介護をしてます。これからもチーさんのHPで勉強させてくださいね(^^)v
【2006/11/01 19:43】
| マッキ− [
編集]
マッキーさん ご訪問、コメントをありがとうございます!
ババも家ではみられない混乱ぶりを、外出先等で見せることがあります。不安で、「わけのわからない」状態になっているようですが、自宅に戻りゆっくりした時間を過ごすと落ち着いてきます。
きっとお父様にとっても、ご自分の家は落ち着ける場所なのですネ。そんな場所をお持ちなのだからお幸せだと思います。お父様のお気持ちに添って見守られている子供さんがいらっしゃることも・・!(^・^)
正直言って「なじみ」がこんなに大切だなんて気づきませんでした。今もババにきづかせてもらっている勉強進行形なんです。。。失敗ばかりですが、今後ともどうぞよろしくお願いします。m(__)m
【2006/11/02 12:16】
| chicyan [
編集]
こんにちは(*^_^*)
イラストが旦那様の作品だったなんて
素敵ですね! とっても可愛いイラストで、いつもchi-様がお描きになっているものと思ってました。
「なじみ」とっても分かります。
うちのホームでも、シーツ交換等でお布団の折り方が変っただけで
自分のお部屋ではないと思われる方がおられます。
「これくらい」って思うような些細な事でもパニックに為られますよね。気をつけてなくては。。って思います。
【2006/11/04 11:03】
| kanani [
編集]
kananiさんへ
布団の折り方一つでも、影響を受けられるのですね。私の何気ない日頃の行動も、気づかずして、ババにいろいろ影響していたのかも知れません。(それも、たくさん・・・)
なかなか気づきにくく、考えることまで怠け者の私としては、何かこう、自動音声お知らせロボットみたいなものが家にいて、「ソンナコトヲシテハイケマセン。元に戻して下さい!」などと教えてくれると嬉しいのですが・・・。(^^♪
日々反省と学習です。。。察して思いやれるように♪ またいろいろなことを教えて下さいネ (^・^)
【2006/11/05 07:03】
| chicyan [
編集]
▲ページトップに戻る
トラックバックURL
http://chicyan.blog51.fc2.com/tb.php/121-3d089929