認知症(脳梗塞後)介護の体験記。
認知症の進行予防・楽な介護が目標です!
★はじめに★ブログ開始にあたって
「なじみ」の大切さ
認知症高齢者の理解と対応(認知症介護【37】)の補足だが、「認知症高齢者の対応(介護)」として3つのなじみを実施するという項目があった。[ なじみのある環境 ]、[ なじみのある人間関係 ]、[ なじみのある手作業 ]である。当初、そんなに重要に思えなかったこの「なじみ」について、ババとの生活の中では何度も失敗し、考えさせられてきた。
2003年のある朝、ひと通り「さくら園」へ行く準備を済ませた私は家の外にいた。すると、ババが自分で荷物を持ち、出てきた。早く「さくら園」へ行きたくてたまらないのだ。バックをシルバーカーに載せ、「じゃあ、行ってきまーーす。」と歩き出した。あ〜あ〜、まだ早いのに・・・。でも「待てる」ババではない。その時ふと足元を見た私は、ババが私の靴を履いていることに気づいた。靴の色や形、大きさも別に違和感はない。普段履きだし、たとえ乱暴に履かれても「惜しい」靴ではない。むしろ嫁の靴を履いてスタコラと歩いていくババが微笑ましかった。善意で何も言わず見送ることにした。

まちがいなく、私の理解不足と対応のあやまりだった。善意(?)どころではなく、ババの靴に履き替えてもらうべきだったのだ。この日までババはちゃんと自分の靴を履いて帰ってきていた。ババが悪いのではない。むしろババを困惑させ、大騒動に巻き込んでしまった。何が何だかわからない状態のババにとって、五感に「なじんだ物」であることはとても重要なことだった。そうでない環境におかれた時にはパニック状態になってしまう。その後、これに懲りたババは目印に派手な色の洗濯バサミを持っていくようになった。
「なじんだ環境」については、例えばタンスの置き場所を変えただけでパニックになってしまった例を私は知っている。たとえ配置を変えた方が便利で生活がしやすくてもできる限り「なじみのある環境」であることの方が本人にとってはベストだったのだ。暮らしの変化の中で周りを「なじみ」で埋め尽くすことは難しい。けれども不安や混乱をより少なくし、精神的に落ち着けるようにするために「なじみ」の果たす役割はとても大きいと思う。

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