認知症(脳梗塞後)介護の体験記。
認知症の進行予防・楽な介護が目標です!
★はじめに★ブログ開始にあたって
トキさんの死
10月1日にババの村出身者の集いがあった。「総会及び敬老会」だ。家族3人で参加したその席でトキさんが7月3日に亡くなったことを知らされた。田舎に帰る前に、トキさんに会いに行ったのは5月8日、私達が郷里から自宅へ帰ってきたのは7月2日、その翌日にトキさんは苦しむこともなく息を引き取られたという。
5月8日の面会日、トキさんに言われた「田舎には帰らないほうがいいよ。」という言葉と、帰り際にトキさんが叫んだ「ワぅぅぅぅーーー!」という叫び声がよみがえってくる。あの時トキさんは「これでお別れだよ!」と叫んだのではないだろうか・・・。ババだって覚悟はしていたはず・・・。でも「はっきりとお互いを確認しあえる時期に、2人が会える機会をつくってあげていたらよかった。」という後悔が再び頭を埋め尽くした。
ババは総会の日、体調も頭も今一つはっきりせず、不安げに会場で時間を過ごしていた。あんなに気にしていた幼なじみのトキさんの死をババは知ることなく会場を後にした。
冷静な返事をしていたババの、昨日の様子はやはりいつもとは違った。何度も呼び出しコールを鳴らし、普段あまり見ないテレビをつけ、音が聞こえないとか、テレビに映っている画像が変だと言ったり、私が台所にいると同じ用事で何度も呼びにきた。夕食時にヨシキが食卓についてもおかまいなく部屋に呼んだ。お腹の調子が悪いと言って私を呼んだババはこう言った。2006年10月06日 | 認知症介護・日常_1 | トラックバック:0 | コメント:6
「さくら園」からのお土産
服のボタン掛けはやっとできるようになったものの、その時によって、片方の袖に手を通していなかったり、ボタン掛けが段違になっていたりした。もちろん着衣については、それは無理もないことで、ちゃんと着れなくても初めから覚悟はしていた。
ある日、「さくら園」から帰ってきたババの荷物の中に大きな風呂敷包みがあった。それを開けてみてびっくり!中から出てきたのは何と、洗面器が5個!ババに聞くと当の本人も驚いた。さがしているといけないので私はすぐに「さくら園」に向かった。事務所で事情を説明して誤ると、やはり係りの人がさがしていたらしい。
後日、私は浴場を覗かせていただく機会を得た。問題はお風呂場の中での動作。公共の場で人並みの行動ができるはずもなく、様子を見にお風呂場に入ると、そこには「わけがわからない」状態のババがいた。一般の皆さんが利用される所だし、ババにはまだ時期尚早だと思われた。また通常の動作ができないことで、ババ自身をも傷つけてしまうような気がしたのである。
2006年10月18日 | 認知症介護・日常_1 | トラックバック:0 | コメント:4
「なじみ」の大切さ
認知症高齢者の理解と対応(認知症介護【37】)の補足だが、「認知症高齢者の対応(介護)」として3つのなじみを実施するという項目があった。[ なじみのある環境 ]、[ なじみのある人間関係 ]、[ なじみのある手作業 ]である。当初、そんなに重要に思えなかったこの「なじみ」について、ババとの生活の中では何度も失敗し、考えさせられてきた。
2003年のある朝、ひと通り「さくら園」へ行く準備を済ませた私は家の外にいた。すると、ババが自分で荷物を持ち、出てきた。早く「さくら園」へ行きたくてたまらないのだ。バックをシルバーカーに載せ、「じゃあ、行ってきまーーす。」と歩き出した。あ〜あ〜、まだ早いのに・・・。でも「待てる」ババではない。その時ふと足元を見た私は、ババが私の靴を履いていることに気づいた。靴の色や形、大きさも別に違和感はない。普段履きだし、たとえ乱暴に履かれても「惜しい」靴ではない。むしろ嫁の靴を履いてスタコラと歩いていくババが微笑ましかった。善意で何も言わず見送ることにした。

まちがいなく、私の理解不足と対応のあやまりだった。善意(?)どころではなく、ババの靴に履き替えてもらうべきだったのだ。この日までババはちゃんと自分の靴を履いて帰ってきていた。ババが悪いのではない。むしろババを困惑させ、大騒動に巻き込んでしまった。何が何だかわからない状態のババにとって、五感に「なじんだ物」であることはとても重要なことだった。そうでない環境におかれた時にはパニック状態になってしまう。その後、これに懲りたババは目印に派手な色の洗濯バサミを持っていくようになった。
「なじんだ環境」については、例えばタンスの置き場所を変えただけでパニックになってしまった例を私は知っている。たとえ配置を変えた方が便利で生活がしやすくてもできる限り「なじみのある環境」であることの方が本人にとってはベストだったのだ。暮らしの変化の中で周りを「なじみ」で埋め尽くすことは難しい。けれども不安や混乱をより少なくし、精神的に落ち着けるようにするために「なじみ」の果たす役割はとても大きいと思う。

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