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驚きの朝 〜帰郷の思い出(1)〜
認知症介護【95】
2006年6月27日認知症の本人自身が頭にモヤがかかっている時、そうでない時を自覚できる?その日の朝、私は自分の耳を疑った。
「
チー!チー!」 まるで何かが起きたような声だ。朝の5時前にババが居間に来た。
「どうしたの?まだ早いよ」
「
あのね、今日はどうしても行かなければいけない所があるの!ずっと考えていたんだけど、はっきり思い出したんだよ!」重大なことを思い出したかのような真剣なババの表情だった。
「ふ〜ん・・それはどこなの?」
「
モリオ爺さんという人の家だよ。昔うち(ババの生家)の手伝いをいろいろしてくれた人でね、お母さんが病気になった時にもお世話になったらしいんだ。お母さんの世話をしていた兄さんが亡くなる前に「モリオ爺さんには本当にお世話になったから、お金を1万円包んでお礼に行ってくれ」って言い残したんだよ!それを今日ははっきりと思い出したんだよ!」
「遺言?ってこと?」
「
そういうことだね。で、それを聞いたのは私だけなの。だからどうしても私が行かないといけないの。今までもそのことを考えることはあったんだけど、あぁ、ここは田舎じゃないんだ、行こうと思ってもいけないんだと気づいてねぇ。でも今度帰ってきてからはそのことをすっかり忘れていたよ。」
「モリオ爺さんの家はどこだかわかるの?」
「
近くまで行ったらわかると思うよ。わからなければ人に聞けばいいよ!ア、そうだ!2人でウロウロするよりユキオ(甥)を呼ぼう!電話してみて!」
「今はだめだよ!早すぎるよ。向こうもこんな時間だとびっくりしちゃうよ、何かあったんじゃないかって!」
「
今日は頭がしっかりしているようだよ。全部思い出した。はっきりしているの。また時間が経ったら忘れるかも知れないから、いいから今電話して!」
それでもちょっと早すぎるので、いろいろ他の話しをした。兄嫁の話題になった時、ババがふと思い出したように言った。
「
トキ姉さんはあんなにハル姉さんと仲が良かったのにハル姉さんが今どうしているのか全く気にしていなかったね。(認知症介護【69】参照)私と同じで頭がパーになっちゃんたんだね。でもトキねえさんもこんなふうに頭がはっきりする時があるんじゃないのかねぇ・・?。その時だったら思い出せるんじゃないのかねぇ・・・」
驚きだった。ババの話を聞いているかぎりでは、ババの頭の中はまるで「雲ひとつない青空」というイメージだった。何とかおしゃべりをして時間を延ばしたものの、ババに「
今でないと忘れてしまうから」とせかされて早朝6時前、私は甥に電話をかけた。
2006年07月09日 | 認知症介護・日常_1 | トラックバック:0 | コメント:2
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