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再び屋敷へ
認知症介護【92】

甥は再びババを背負っていた。屋敷からの帰り道だ。
6月7日
(認知症介護【83】)ババが34歳で嫁いできた屋敷を見に行った時、ババを背負った甥が息切れ切れに言った。「伯母さん、頼むから、もう1回屋敷を見に来るなんて言わないでくれよ〜!」私達はさぞかし重いのだろうなぁと大笑いをした。
だがその後、ババは会った人に「もう家には行ったの?」と聞かれ「
ううん、まだ行ってないよ!」と答えた。甥に背負ってもらったことは覚えていたものの、屋敷を見に行ったことは覚えていなかったのである。
2週間後の6月21日、再び私と甥とババは屋敷に向かった。実母は前回の坂道が膝にこたえ、今回は同行しなかった。車を降り、ババにとってなじみの屋敷の出入り口に立った時、ババが「
あ〜〜、ここは家に下りる道だね。」と言った。今度は大丈夫だと感触を得た私達はお墓参りと同様、下り坂をゆっくりと、ババと一緒に周りの景色を確かめながら下りていった。
舗装されておらず、伸びた木の根や石などででこぼこになっている道を下りながらババは「
これじゃ、しようがないねぇ〜!これじゃ無理だね〜!(家を建てて住むことが)」とつぶやく。ババは屋敷の門まで杖を使い自分の足で歩き、たどり着いた。そこから先は伸び放題の草や木が生い茂り、ババもそれ以上進むことをあきらめ、そして自分の夢をあきらめることを確認したようだった。
ババが34〜54歳までの時代を過ごし、現住所に所有する家がありながらも再建を夢見た思い出のつまっている場所。義父の療養の為、54歳でこの地を離れた時、実は敷地内の一角に新築のための整地を済ませたばかりだったという。そこだけは今も平地で広場になっていた。
2006年06月29日 | 認知症介護・日常_1 | トラックバック:0 | コメント:0
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