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認知症ふたりの「面会」(その1)
認知症介護【68】

「ハイ! お母さんこっちを向いてー!」幼なじみの2人を携帯のカメラで写そうとしたときである。私はババの目がうるんでいることに気づいた。「どうした?お母さん!」「
え?何でもないヨ」
敬老会の翌日にもかかわらず、今朝のババに疲労感は漂っていなかった。昨日とはうって変わり天気も快晴、日中の気温も予想では20度を超えるとのこと。私は今日こそババがずっと望んでいて先延ばしにしてきたことを実現しようと思った。ババの幼なじみ(ババより1歳年上)との面会である。ババに聞くと即答で「
うん、行こう!」が返ってきた。ババの幼なじみで従姉妹でもあるトキさんの娘さんに電話をかけ、トキさんが特別養護老人ホームに入所していることを確認した。場所は遠く、久しぶりに電車で出かけることになった。
「お母さん さっきトキおばさんの娘さんに電話したらねぇ・・おばさん、少し物忘れをするようになっているんだって!でも昔の事とかだったら結構覚えているらしいよ!」
「
そうかねぇ、じゃあ私と同じようなものかねぇ?トキ姉さんはハル姉さん(先月亡くなったババの兄嫁)とすごく仲が良かったんだけど、亡くなった事も知らないだろうねぇ・・・。教えないほうがいいかね?」
「う〜ん・・・どうだろうね」
私達は面会前に併設の病院の食堂で昼食を済ませた。お味噌汁と焼き魚を美味しいと言ってババは全部食べた。ババの食欲がない時、外食をするとなぜか食がすすむ。(私の料理がまずい??) 食後いよいよ特養に向かったのだが、トキさんもちょうど食事の時間だということで私達は2階の喫茶コーナーで時間をつぶすことにした。料金の支払いの時思わず聞き返した。「えっ?!250円?」コーヒー2杯と(インスタントではない)おつまみと喫茶コーナーのおばさんのおしゃべり付きで250円?自動販売機で買うより安い。気の良いおばさんに見送られてエレベーターに乗る。
3階のトキさんを訪ねた。広いフロアに丸いテーブルがいくつか置いてあった。トキさんが座っていた所は5人の方がテーブルを囲んで座っていた。私はトキさんの車イスの横にババの車イスを並べた。
この時までおそらくババは10何年ぶりかで会うトキさんとの「感動のご対面」を頭に描いていただろう。
2006年05月08日 | 認知症介護・日常_1 | トラックバック:0 | コメント:0
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