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「待てない」 ババ・「アホ嫁」の誕生
認知症介護【16】
それは皮膚科を受診した時だった。電話予約で順番をとったが、後半になってしまった。脳梗塞後、ババは
[ 待つ ]ことができない人になっている。それなのにうっかり、朝一番に病院に行くことを伝えてしまった。
さあ大変!即外出の仕度を始めた。

どれだけ気が早いかというと、例えば午前10時外出の予定でも7時30分には「
さあー!でかけるヨー!」といった具合なのだ。 やむなく、できるだけ引き延ばしながら、それでもできるだけ早く準備を済ませ(ババへのアピール)家を出た。しようがない、皮膚科で長めに待つとするか・・。
甘かった。「
ねえー、あれは何番?」現在の順番を表示している蛍光ボードを指してババが聞く。「うん、22番だよ」「
うちは何番目?」「う〜ん、もう少しだね。」「
そう・・・」人気のある皮膚科だが、結構一人の診察時間が長い。いっときしてまたババが聞く。初めて聞くかのように。「
今、何番?」「今?22番だよ」「
あと何人?」「何人だったかナ・・でもまだだよ」・・・まさか40番台だなんて言えやしない。そのやりとりを繰り返しつつ、私はない頭をしぼって話題をそらす方法をさがし続けた。
途中で思わぬ援助が入った。「長いですね〜。私も随分長いこと待っているんですよ。娘さんですか?」「いえ、嫁です」気さくそうな女性だった。その方もご自分のお母様の事をお話しになりながら、ババに話しかけた。
「お歳は?***?」ババは聞きとれない。ババに伝えた。「お歳はおいくつですか?って!しっかりしていらっしゃいますねって!」ババは笑い、そして言った。「
でも、うちは嫁がアホでねぇ〜〜取った順番もわからないみたいで・・・」それまでシ〜ンとしていた待合室だが、こらえきれなかったようだ。一度に笑い声があちらこちら・・・。ババと嫁と気さくな女性との会話は「●●さ〜ん」とババが呼ばれるまで続いた。
2006年02月23日 | 認知症介護・日常_1 | トラックバック:0 | コメント:4
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